【学校法人向け】源泉徴収票の電子化で増える問い合わせ対応とその対策とは?

ペーパーレス化推進でよくある課題とは?

近年、教育機関でも源泉徴収票の電子化が進んでいます。一方で、電子化に伴う新たな課題も浮き彫りになっています。
ご担当者様が特に苦労されているのが「ログインできない」「見ていない」といった問い合わせへの対応です。せっかく紙出力をやめて作業工数を減らしたにも関わらず、それにより問い合わせが増え、対応するのに苦労させられてしまうとは本末転倒です。複数の系列の学校を経営されている学校法人様であれば、勤務している教職員も多く、さらには課外活動の外部講師、講演を依頼した方への謝礼など、様々な方へ源泉徴収を送ることとなり、問い合わせは煩雑さを極めるものとなります。
本記事では実際の事例や、その解決方法についてご紹介します。

実際に発生した問い合わせ事例

学校法人A様では源泉徴収票を電子化したところ、ログインに関する問い合わせが多く寄せられました。

(1)パスワードを入力してもログインできない
(2)送られてきていない/他のメールに埋まって見つからない
(3)確定申告に必要なので紙で送ってほしい

(1)については、初年度は大文字・小文字の入力ミスが原因というケースがほとんどですが、次年度以降になると一年前に自分で設定したパスワードがわからなくなってしまったという問い合わせも増えます。
(2)は通知メールの見落とし、メールのキーワード検索を知らないことが原因です。
(3)に関しては自宅にプリンターがなく、事情があり自分で確定申告をしなければならない方からの問い合わせでした。
これらの問い合わせ対応により「業務効率化」のはずが、逆に負担増になってしまったそうです。なぜこのようなことが起きてしまうのでしょうか。事項でこれらの事象について考察します。

問い合わせはなぜ起きてしまうのか

なぜ、電子通知は多くの問い合わせを発生させてしまうのでしょうか。
前項で挙げた「(1)パスワードを入力してもログインできない」「(2)送られてきていない/他のメールに埋まって見つからない」については、WEB上でログインが必要な各種サービスを利用する皆様は経験があるかと思います。(1)はパスワードの再発行をすればよいですし、(2)もメールボックスをキーワード検索すれば見つかるはずですが、ITリテラシーの高くない方には難しいのかもしれません。
「(3)確定申告に必要なので紙で送ってほしい」についても電子申告e-Taxを利用される方は不要かと思いますが、自分で資料を作成し、税務署などに直接赴いて確定申告をする方は必要になります。
このように、どうしてもITリテラシーの差は発生してしまいます。そこでお勧めなのが紙とのハイブリット運用です。

対策案:電子化と紙通知のハイブリッド運用

電子化と紙通知のハイブリッド運用

電子化には業務効率化やコスト削減といった利点がありますが、すべての教職員がスムーズに対応できるとは限りません。ITリテラシーや勤務形態の違いから、電子化だけでは対応しきれないケースも多く見られます。
そこで有効なのが、電子化と紙通知を併用する「ハイブリッド運用」です。

ハイブリッド運用のメリット
(1)ITに不慣れな教職員も確認できる
→「パスワードを入力してもログインできない」といった声に対応。
(2)本人宛DMの閲読率74.3%※1の高さにより、書類を見てもらいやすい
→「メールが届いていない」「他のメールに埋もれて見つからない」といった声に対応。
(3)紙での通知を希望される方には紙で配布できる
→確定申告に必要なので紙で送ってほしいなどの要望に対応。

紙での配布を希望される方には紙で配布することで、「パスワードを入力してもログインできない」といった声に対応でき、問い合わせ件数の減少が期待されます。また、メールだと見落としてしまうという方も紙の通知物であれば見落とす可能性が減ります。
TOPPANエッジが2024年に実施した調査※2によると、『通知物を「必ず紙の郵便で受け取りたい」と思う理由は、約57%が「届いたことに気付きやすいから」』と回答があったそうで、メールで見落とされる方にも、紙通知はマッチすると言えます。(3)についても事前に希望される方に送ってしまえば、あとから出力を希望する問い合わせは減るはずです。
このように、電子通知と紙通知をハイブリット運用することで、業務効率と利用者満足の両立が可能になります。

※1 出典|「DMメディア実態調査2024」調査報告書要約版 P9 DM閲読状況(日記調査)(発行:一般社団法人日本ダイレクトメール協会研究開発委員会)
https://www.jdma.or.jp/upload/research/20-2024-000109.pdf
※2 出典|TOPPANエッジ、郵便物の電子化に対する受け取り手の意向調査を実施 (発行:TOPPANエッジ株式会社)

紙通知の業務は当社が一括で代行します

手間がかかる紙通知ですが、それを解消する方法としてアウトソーシングサービスの利用をお勧めします。当社では印刷から封入封緘、発送までをワンストップで代行します。

サービスの特長
(1)印刷・封入・封緘・発送まで一括対応
(2)専用機器による検査で誤封入リスクを防止。発送後の問い合わせにも履歴を照合し対応。
(3)個人情報管理も安心のセキュリティー体制

電子発行システムから出力されたCSVやPDFなどのデータ形式が印刷対応可能かどうか、当社にて事前に検証を行い、スムーズな連携を支援いたします。電子発行と紙通知の併用に不安がある場合も、どうぞ安心してご相談ください。

まとめ:柔軟な運用が課題解決の鍵

源泉徴収票の電子化は業務効率化に貢献する一方で、教育機関ではログインや閲覧に関する問い合わせが増えるなど、運用面で課題となるケースも少なくありません。
利用者の多様性を踏まえた紙通知との併用や、アウトソーシングの活用は、現場の負担を軽減しながら確実な情報伝達を実現する有効な選択肢です。
源泉徴収票の発行、通知業務でお困りの際は、ぜひお問い合わせフォームから、当社までまずはお気軽にご相談ください。

ページトップへ戻る