データプリントサービス利用時のファイル形式
データプリントサービス利用時のファイル形式のご紹介です
データプリントサービスのご検討にあたり、お客さまからファイル形式についてのお問い合わせを多くいただいています。本稿では、データプリントサービス利用時のファイル形式について解説します。
どういったファイル形式で渡せばいいのでしょうか?
当社ではデータプリントサービスを含むアウトソーシングをご利用いただく際、原則として固定長※1またはCSV形式でのデータ提供をお願いしています。CSV形式とは文字、数字、記号などのデータがカンマで1項目ごとに区切られた構成です。ファイルとしては「カンマまでを1項目」、「改行文字までを1行」として解釈します。
この仕様に基づき、データの項目、並び順、名称、属性などを定義し、プログラムと帳票開発を行い、印字を行います。例として、「株式会社TLP,173-0004,東京都板橋区1-53-2 TM21ビル,営業本部,03-5943-5200」といった住所データは、先頭から、「会社名,郵便番号,住所,部署名,電話番号」の順に並び、次のように定義します。
・会社名 :文字 40Byte
・郵便番号:数字 ハイフンあり 8Byte
・住所 :文字 40Byte
・部署名 :文字 20Byte
・電話番号:数字 ハイフンあり 12Byte
しかし、データの中にカンマが含まれていた場合、プログラムでは区切りと判断するためデータが分かれてしまうことで、並び順が変わってしまいます。
このようなリスクを回避するため、厳密には「ダブルクォーテーション囲みのカンマ区切り」のCSV形式を推奨しています。
前述の例では、「”株式会社TLP”,”173-0004″,”東京都板橋区1-53-2 TM21ビル”,”営業本部”,”03-5943-5200″」となります。
過去の事例として、システムチェックでエラーとなったデータを確認したところ、会社名やマンション名にカンマが含まれているものがありました。カンマにより会社名が途中で区切られてしまったことで、事前の定義と並び順が変わってしまいエラーとなりました。
システムチェックで発見できれば郵送前に修正対応もできますが、発見できなかった場合、郵便物が届かず不達になってしまいます。お客さまのシステムや業務上の規定により、ダブルクォーテーション囲みのカンマ区切りのCSVが作成できないこともあります。その場合でも対応方法はありますので、ご相談ください。
また、下記のような各種文字コードにも対応しています。
・S-JIS
・Unicode
・KEIS
・JEF
・JIPS、JIPS-E、他
※1 固定長形式とは主にホストコンピューターから出力されるデータ形式です。CSVはカンマでデータの区切りを判断するのに対し、固定長は桁数で判断します。
Excel形式は使えますか?
Excel形式では無理ということはありませんが、後述する不具合が発生する可能性があります。
Excelには書式設定、計算、マクロなどさまざまな機能があり、文字と数字以外にフォントやけい線などの書式情報が付加された形式となっています。
一方、データプリントサービスで必要となる情報は、文字と数字、記号といったデータのみであり、付加情報は不要です。
特にセルの書式設定はExcelの特長で便利な機能ではありますが、データ連携には不要なものです。
みなさんも次のような経験があるのではないでしょうか。
・年月として”2020/4″と入力したら、”Apr-20″になった。
・商品コード”00000001″を入力したら、”1″になった。ゼロ落ち。
・商品コード”123456789012″を入力したら、”1.23457E+11″になった。
・住所の地名以降の番地を”1-2-3″と入力したら、”2001/2/3″になった。
・段落を付けようと”(1)”と入力したら、”-1″になった。
これはExcelのオートコレクト機能によるものですが、デフォルト設定のままだと上記のような現象が発生します。
このようにExcelでは、データが異なる内容に変換されてしまうことがあるため、当社で処理した場合に意図しない変換となりエラーとなることがあります。
Excelでしか出力できないため何とか対応してほしい
お客さまのファイル形式に合わせてプログラムを開発すれば、Excelが使えるのではとのお問い合わせをいただくことがあります。
確かにExcel形式に対応しているケースはございます。この場合、データの内容が変わらないよう、すべてのセルの書式を文字列にしてご提供いただいています。
しかし、業務の際に当社のシステムチェックでエラーが発生することが多いのも現状です。
また、”①”や”髙橋”の”髙”、いわゆる「はしごだか」、といった環境依存文字の使用、セル内改行、スペースなどもエラーの要因となっています。
そして、チェック後のデータ修正と確認にかかる時間を考慮すると、納期の確保が難しくなることもお奨めしていないひとつの理由となっています。
データプリントサービス業務を含めたアウトソーシング業務の前提条件は、「お客さまのデータは当社で編集加工することなく、そのまま印字する」ことです。
この前提をご理解いただき、CSV形式でのご提供をお願いしています。
注意してExcelファイルを作れば大丈夫でしょうか?
たとえば、お客さまの業務システムからCSVファイルを出力し、それをお客さまがExcelで編集しCSV形式で保存したとします。
この場合、Excelで開いて保存した時点で、前述の”ゼロ落ち”が発生したり、文字の形式が変わったりすることでエラーとなります。
「日付や数値のセルは変更していないので大丈夫」と思っていても変わる危険性があります。お客さまが注意するだけではエラーをゼロにするのは難しいと考えられます。
PDFでも大丈夫か?
お客さま側システムの制約上、CSVファイルを出力できず、PDFファイルでご支給いただくケースもあります。 事前のチェックとテストが必要ですが、専用のアプリケーションを利用することでPDFをご利用いただけます。
ただし、帳票作成のためのソートや品質管理のための管理番号の付与、フォントの埋め込みやアウトラインPDFなど取り扱いには注意が必要です。
さらにPDFにも印刷に適した形式があるため、作成方法がわからない場合はお問い合わせください。
お客さまの情報を守る
アウトソーシング業務において、「正確性の確保」は最も重要なポイントとなります。当社ではお客さまの情報を守るという点からも、リスクの少ない形式でのデータ提供をお願いしています。もし、お困りのことなどございましたら、お問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。
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