知っていると便利な印刷基礎知識~校正編~

印刷の校正は難しくない!

以前に印刷基礎知識の用語編をお届けしましたが、今回は校正工程に的を絞ってご紹介したいと思います。 校正はお客さまの希望通りの印刷物を作るための大変重要な工程です。…こんなことを言うと身構えてしまいそうですが、単純な作業ですので、お互いの認識をしっかりすり合わせていけば、難しいことはありません。
※印刷会社さん、業界等によっては解釈が違うこともありますので、参考までにご覧ください。

校正工程はなぜ必要なのか?

校正とはお客さまから入稿頂いたデータを紙へ実寸で出力し色味やレイアウトのバランスを確認する工程です。(印刷工程の一連の流れは「知っていると便利な印刷基礎知識~用語編~」をご参照ください。)
実寸で出力すると、例えばポスターなら、キャッチコピーが長すぎてバランスが悪いから短い文章に修正したい、などPCの画面上での作業では見えなかったものが見えてきます。
そして特に気をつけたいのが色にこだわる印刷物の場合です。印刷用のデータはIllustrator等のソフトを使ってPC上で作成されることがほとんどかと思いますが、PCでの色味はPC自体の機種、画面の明るさ、画面を見ている場所の照明によって印象が変わります。同じデータだとしてもそれを「見る環境」によって違った色に見えるのです。
そういった「見る環境」以外にも、印刷する機械の特性や、印刷する紙の種類(上質紙、和紙、コート紙、など)、もっといってしまうと、見る人によって色に対する印象は変わってきます。
満足できる印刷物を作るためには、印刷を依頼する側、印刷する側でよくすり合わせ、互いの認識を一致させて作業を進めていくことが大変重要です。

印刷用語

「知っていると便利な印刷基礎知識~用語編~」で紹介した用語もありますが、改めてご紹介します。

初稿(読み:しょこう)最初に印刷会社へ入稿した原稿のこと。読みは「初校」と同じ「しょこう」ですが、意味は違うので注意。
初校(読み:しょこう)一回目の校正作業。
再校(読み:さいこう)二回目の校正作業。「二校(にこう)」ともいいます。以降は三校、四校…という具合になります。
校了(読み:こうりょう)校正が終わり、次の工程へ進めることをお客さまにご了承いただくこと。
責了(読み:せきりょう)「責任校了」の略。修正点がごく簡単な部分のみの場合に修正後、印刷会社が最終確認し、作業を進めることをお客さまにご了承いただくこと。
校正紙(読み:こうせいし)校正のために紙へ出力したもの。略して「校正」と略して呼ぶことが多いです。
ゲラ(読み:げら)文字中心の印刷物の校正紙は「ゲラ」と呼ぶことがあります。

校正記号

校正作業では修正指示を校正紙に直接書き込むと分かりやすいです。その際に便利な校正記号をご紹介します。
※印刷会社さん、業界等によっては解釈が違うこともありますので、参考までにご覧ください。

■文字・記号の訂正

 

■文字・記号を削除してツメる

■文字・記号を削除して、あとを空けておく

■書体や大きさを変更する

■訂正を取り消す

■字間に文字・記号を入れる

■文字を入れ替える

■行を続ける

■指定位置へ文字、行を移動する

■字並びを正す

■字間、行間を開ける

■字間、行間をつめる

■次の行へ移す

■前の行へ移す

■改行する

まとめ

いかがでしたか?今回は校正に関する基礎知識をご紹介しました。校正作業はひとつひとつは単純ですので、確実にコミュニケーションをとり、ご希望の印刷物をつくりあげましょう。
実際の営業とのやりとり中で、わからない用語があれば気軽に聞いてください。

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