印刷データのトラブル【画像のリンク切れ】

Illustratorにおける「画像のリンク切れ」についてご紹介します

印刷会社へのデータ入稿で「リンク切れの画像があります」といわれて解決方法が分からず苦労した経験はございませんか?本記事ではAdobe Illustratorにおける「画像のリンク切れ」についてわかりやすく解説します。

「画像のリンクが切れている」とは?

広報のご担当者さまがDMやポスター等の印刷物を作成される際、社内にデザイン部門が無い場合、デザイン会社に依頼したデザインデータを印刷会社に入稿して作成されることはよくあるかと思います。
しかし、aiデータ(Illustratorで作成された印刷デザインのデータ)※1の確認には、Illustratorなどの専門的なソフトが必要なため、トラブルが起きた際は原因がわからずお困りになる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
なかでも多いトラブルが「画像のリンク切れ」です。aiデータではデザインで使用する画像を外部リンクによって呼び出し表示しているため※2、何かの原因でリンクが切れてしまい画像が表示できない問題が起きるのです。今回はこのようなリンク切れのトラブルの中でも多い原因を3点ご紹介させて頂きます。

※1 印刷データ作成のソフトは他に、InDesign等のソフトがありますが今回はIllstratorにて説明させて頂きます。
※2「埋め込み」というaiデータ内に画像データを保存する方法もあります。しかしデータサイズが大きくなる等の事情により、画像をリンクとして別途保存する方法が広く使われています。

1.添付漏れ

よくあるケースの一つが画像の送付漏れです。
送付漏れの場合は画像データを見つけて、印刷会社に送ることですぐに解決します。ただし、一見同じような画像データでも、形式、修正箇所が異なっている場合があります。また画像の解像度が高すぎてもデータが重くなってしまいますし、低すぎてもきれいに印刷することができません。
慌てて別のデータを支給すると誤ったデータを置換されてしまう可能性もありますので、まず画像のファイル名を正確に教えてもらい、同一名称の画像を送るようにしましょう。またデータを送ったあとは、確認用のPDFを依頼し、最終的なレイアウトを確認しましょう。

2.画像の保管場所の変更

画像の保存フォルダが変わるとリンクが切れる場合があります。保存フォルダが変わると、リンクの持つ画像の位置関係が崩れて、リンクが切れてしまいます。
ですが、リンク画像を全てそろえて支給していれば、同じ名称のデータを探し、再リンクする作業を印刷会社にて行い解決することもできますので、ご担当者様へは問題の報告を行わないケースもあります。
ただし、同一名称の古いデータなどがある場合、ソフトによって自動的にリンクされる場合もあり、予期せぬトラブルが起こる可能性があるため、注意してください。

3.異なるOSでの圧縮→解凍による文字化けでリンクが外れる

日本語等を含む名前のファイルにそれぞれ異なるOS(Mac、Windows等)で圧縮と解凍を行った際、フォントの問題で、ファイル名に文字化けが起こり、リンクが外れてしまう場合があります。
ファイル名に半角英数字を使用して文字化けを防ぐ対応策を行っている場合もありますが、諸事情により日本語での表記を行っている会社もあります。この様な場合では別のOSや専門のソフト等で解凍を試みて、問題を解決する場合があります。しかし解凍後に文字化けが起きたファイルを印刷会社に送ってしまうと、ファイル名を復元できない可能性が大きいため注意が必要です。

いかがでしたか

リンクが切れている場合は、Illustretorでaiデータを開いた際、「~というリンクファイルが見つかりません」というアラート(警告)が現れます。そのためデータ不備に気がつくことができ、画像がないまま印刷されることは防げます。
しかし、原因までは記載されていないため、ご担当者様と印刷会社で上記の問題点の有無を確認し、解決策を探る必要があります。特に複合的な要因では、原因がわかりにくく、電話やメール等でお話の行き違いが起きてしまうケースも多いです。
すでに校了後のデータであったり、完全データ支給の必要があるなど、お客さまの裁量に重点が置かれている印刷では特にご注意ください。

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