通知物発行業務アウトソーシングのセキュリティーリスクと対策
はじめに
印刷業務をアウトソーシングすることは、業務負担の軽減やコスト削減などのメリットがあります。一方で、POPやカタログなどの印刷物と異なり、DMや通知物などのアウトソーシングの場合は、宛名面などに顧客情報を出力するため、委託先のセキュリティー環境には注意が必要です。本記事では、アウトソーシングにおけるセキュリティーリスクと、それぞれの確認すべき対策をご紹介します。
アウトソーシングにおけるセキュリティーリスクとは?
アウトソーシングにおけるセキュリティーリスクとして、委託先で管理する個人情報の漏えいがあります。このような漏えいリスクについて、技術的、物理的、人的の3つの側面から紹介します。
技術的なセキュリティー対策
技術的なセキュリティーリスクとして、「ウイルスやマルウェアによる情報システムの感染や破壊」や「標的型攻撃や不正アクセスによる情報漏えい」などが挙げられます。3つの対策をご紹介します。
1つ目は、ソフトウェアやハードウェアの定期的なアップデートやパッチの適用です。定期的なアップデートとパッチの適用により、常に最新のセキュリティー対策とし、システムの脆弱性を最小限に抑えることができます。この対応を適切に行わないと、システムの脆弱性を狙われる恐れがあり、適切に管理されているか確認し、更新する必要があります。
2つ目は、アンチウイルスソフトウェアの利用やファイアウォールなどのセキュリティー装置の導入です。セキュリティー装置を導入することで、リアルタイムでシステムを保護し、ウイルスやマルウェアなどの新たな脅威が侵入するのを防ぎます。また、常時スキャンを行い、既に侵入している可能性のあるウイルスを検出し、被害の拡大を防ぐ必要があります。
3つ目は、暗号化によるデータの保護です。通信データや保存先データの暗号化により、外部から不正アクセスをされた場合でも改ざんなどのリスクを軽減することができます。
近年では、クラウドサービスやテレワークの環境を狙った攻撃も増えています。委託先の管理状況を「セキュリティーチェックリスト」で定期的に確認することが必要です。
物理的なセキュリティー対策
次に、物理的なセキュリティー対策について説明します。物理的なセキュリティーとは、通知物の紙媒体や記録媒体などの盗難、紛失を防ぐことを意味します。
盗難、紛失を防ぐ対策としては、記録媒体の利用制限や持ち出し管理、個人情報を扱う作業エリアでの監視カメラの設置や、ICカードや生体認証による移動時のログ管理などが挙げられます。例えば、セキュリティーレベルで分け、一人一枚ずつのICカードや、生体認証による各部屋への入退出を管理しています。これにより、カードごとに入退室のログを取り、入退室ログの整合性が取れないカードでは開錠ができないようにする等です。委託先への監査を実施し、正しく運用されているか確認します。
人的なセキュリティー対策
最後に人的なセキュリティー対策について紹介します。人的なセキュリティーとは、通知物の紙媒体や記録媒体などの不正な持ち出しを防ぐことを意味します。
不正な持ち出しの防止では、従業員へのコンプライアンス教育の徹底やセキュリティーポリシー、ガイドラインの策定なども被害を抑える上で重要ですので、対策が必要です。
また、技術的な対策にはなりますが、情報へのアクセス履歴や利用者の操作履歴などのログ、証跡を記録し、監視するシステム操作履歴の監視なども対策として挙げられます。
上記リスクに対して、どのようなセキュリティー対策がとられているかも重要ですが、実際に事故が起こってしまった際の対応策が手順として定められているかの確認も必要です。アウトソーシングを検討する際には、各リスクを踏まえて、委託先のセキュリティー対策の水準や実績を事前に調査し、信頼できる業者を選ぶことが大切です。
まとめ
セキュリティーリスクや対策についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
また、ISMSやPマークなどの第三者機関による認証の取得や、各認証に準拠したセキュリティー環境を構築している企業、製造現場もあり、一つの基準となります。外部へのアウトソーシングの際には、前述としました確認や監査などが必要になります。
当社は製造現場への実地監査やセキュリティーチェックシートなどの対応が可能です。お問い合わせください。
参考文献
(Web)サイバーセキュリティ経営ガイドライン Ver 3.0│経済産業省(閲覧日:2023年11月21日)
(Web)情報セキュリティー10大脅威2023│独立行政法人情報処理推進機構(閲覧日:2023年11月21日)
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