QRコードとは?構造やバージョンなどの基本情報をご紹介

はじめに

QRコードとは、株式会社デンソーウェーブ(当時は株式会社デンソーの事業部)が開発した二次元コードです。大量の情報を小さなスペースで表現することができ、スキャナーやスマホで手軽に読み取ることが可能です。 公共施設などの案内や工場での製品管理など幅広い場面で活用されており、DMなどの通知物でも例外ではありません。本記事では、QRコードの構造やバージョン、誤り訂正レベル、利用時の注意点をご紹介します。

※QRコードには、最初に開発されたモデル1と改良版のモデル2があります。本記事で紹介するQRコードはモデル2のものとなります。
※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

QRコードの構造

まず、QRコードの構造とQRコードを構成する各要素の役割についてご紹介します。
QRコードは、主に①セル、②クワイエットゾーン、③アライメントパターン、④切り出しシンボル(ファインダパターン)、⑤タイミングパターン、⑥フォーマット情報の六つの要素で構成されています。

①セル

①セル

QRコードを構成する黒と白の四角形のことを指します。データセルとも呼ばれQRコード内のデータを表現しています。画像のQRコードはバージョン2ですので、25×25の625個のセルで構成されています。

②クワイエットゾーン

②クワイエットゾーン

二次元コードを正常に読み取るために必要な周囲の空白スペースです。QRコードでは構成する1セルの四個分のスペースが必要になります。画像のように1セルの大きさが0.5mm×0.5mmの場合、確保すべきクワイエットゾーンは4セル分の2.0mmとなります。

③アライメントパターン

③アライメントパターン

ゆがみによるズレを補正する役割を持った部分のことです。正面以外からの読み取りや、曲面のような部分に印刷されてゆがみがあっても、各セルのズレを計算して読み取ることができます。

④切り出しシンボル(ファインダパターン)

④切り出しシンボル(ファインダパターン)

QRコードの角に配置されている三つの検出用パターンのことです。下画像内の図のように、上下左右どの位置から切り出しシンボルを通っても、黒セルと白セルの比率が「1:1:3:1:1」になります。そのため、QRコードが回転していても正しく認識できます。

⑤タイミングパターン

⑤タイミングパターン

切り出しシンボル間の二か所にある黒セルと白セルが交互に配置されている部分のことを指します。QRコード内の座標を決定するために使用されます。

⑥フォーマット情報

⑥フォーマット情報

誤り訂正機能(※後ほど解説します。)などに関係する情報を持っている部分になります。QRコードをデコードする(変換されたデジタルデータを元の状態に戻す)際には、まずこの部分を認識します。  

QRコードのバージョン

続いて、QRコードのバージョンについてご紹介します。
QRコードには、表現できる情報量に応じてバージョンが設定されています。バージョンは1から40までの40種類が設定されており、各バージョンごとにデータ量や文字種、誤り訂正レベルに応じた最大入力文字数が設定されています。
また、各バージョンごとにQRコードを構成するセルの数が決められており、最小のバージョン1は21×21のセルの数で構成されています。セルの数はデータ量に応じて増えていき、最大バージョンの40になるとセルの数は177×177となります。
つまり、バージョンの数字が大きいほど、画像のようにセルの数は増え情報量が多いQRコードとなります。

QRコードのバージョン

誤り訂正レベル

QRコードには、コードが汚れたり破損したりした場合でもデータを損なわずに復元することができる「誤り訂正機能」があります。誤り訂正機能には、コードの損傷度合いに応じたL、M、Q、Hの四段階のレベルが用意されています。
工場や屋外などの汚れやすい環境では、訂正能力が高いレベルQやHを選択し、汚れの心配がない環境ではレベルLを選択することもあります。仮にレベルQを選択すると、コード面積の最大約25%が損傷した場合でもデータを復元することができます。ただ、切り出しシンボルやアライメントパターンなどの、QRコードを読み取る上で大切な役割を担っている部分が大きく損傷した場合は、正常に読み取れない可能性がありますので注意が必要です。
また、誤り訂正機能を高いレベルに設定すると訂正能力は下表のように向上します。しかし、誤り訂正に使用されるデータが増え、QRコードのサイズが大きくなる場合もあるため、利用目的に応じて検討する必要があります。

誤り訂正レベルQRコードに対する面積
レベルL最大で面積の約7%を復元
レベルM最大で面積の約15%を復元
レベルQ最大で面積の約25%を復元
レベルH最大で面積の約30%を復元

QRコードを利用する際の注意点

DMなどの紙媒体にQRコードを印刷する場合、どうしても紙面サイズが限られるためQRコードのサイズを小さくしたいとご相談を頂くことが多々ございます。しかし、QRコードは構成するセルが大きいほどスキャナーやカメラなどで読み取りやすくなり、小さすぎてしまうと読み取りづらくなってしまいます。
また、読み取り精度はQRコードリーダーのデバイスやアプリケーションによって変わる場合もあります。QRコードを活用する際の注意点については以前の記事「QRコードの印刷物を発注する際に注意する点」をご覧ください。

最後に

QRコードの構造からDMにおける活用事例をご紹介しましたが、いかがでしたか。
当社では、QRコードやバーコード印字に豊富な実績がございますので、適切なサイズをご提案しております。(※お客さまご自身での事前検証もお願いしております。)また、DMに印字したQRコードを読み取った履歴を専用サイトから確認できる効果測定サービス「効果測定DM」もご提供しています。
QRコードを使う印刷物やDM施策でお悩みやご相談などございましたら、まずはお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

参考リンク

QRコードとは|技術情報|自動認識|デンソーウェーブ(閲覧日:2021年10月26日現在)
QRコード | 株式会社デンソーエスアイ(閲覧日:2021年10月26日現在)
QRコードの情報量とバージョン|QRコードドットコム|株式会社デンソーウェーブ(閲覧日:2021年10月26日現在)
誤り訂正機能について|QRコードドットコム|株式会社デンソーウェーブ(閲覧日:2021年10月26日現在)

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